愛着障害を克服するオキシトシンの働き

オキシトシンというホルモンの働きは愛着障害を癒す上で重要です。親切なコミュニケーションでオキシトシンの分泌が増し、愛着障害を癒すことができます。赤ちゃんが母乳を吸うと、母体では、オキシトシンというホルモンが、脳下垂体後葉という場所から分泌されます。このオキシトシンというホルモンは、親密感をもたらし、心を癒します。幸せホルモンとか愛情ホルモンとか癒しホルモン呼ばれるのもそのためです。

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オキシトシンは男女問わず重要なホルモン

オキシトシンは男女問わず分泌されていますが、それが特に刺激されてたくさん分泌されるのは、人間同士のスキンシップです。抱擁、ハグなどの行為はオキシトシンを分泌させます。それだけではなく、軽いタッチングでもオキシトシンが出ます。オキシトシンが出ると人は親近感を感じ、相手を信頼するようになります。タッチするほうもされるほうも同じようにオキシトシンが出ています。会話で軽く相手をタッチすることは、オキシトシン分泌効果があるのです。もし、まだパートナーがいない人でも、オキシトシン分泌を増やすことはできます。それは日常のちょっとした工夫で可能なことばかりです。

親切にするとオキシトシン分泌が増加

最近の研究では、タッチしなくても、ただ、その人に親切な言葉をかけてあげたり、親切な行為をするだけでオキシトシンが出ていることがわかってきました。これは親切にするほうだけでなく、されるほうにも同じ反応が出ます。親切な言葉をかけてあげるだけでコミュニケーションが良い方向にむくということです。つまり、信頼と安心感をもたらすのです。好意的な笑顔で微笑むことや、親切で思いやりに満ちた言葉かけの刺激でもオキシトシンは分泌されることもわかってきています。愛着障害の改善のためには、オキシトシン分泌を増やすことに意識を向けていくと良いのです。人に親切にするということなら、実践は簡単です。

イメージワークでオキシトシン分泌も増加

愛着障害を癒す心理療法のイメージワークで、インナーチャイルドセラピーというものがあります。これはイメージの中で、自我を二つにわけて、幼児期の自我と親となった自我が対話して、親である自我が子供である自我を愛情と受容と認証によって癒す行為をすることで、愛着障害を癒す方法です。自分が自分の親になるということです。親の保護も導きも期待できず、親代わりの存在や伴侶もそばにいない人が愛着障害を克服して幸せな恋愛と結婚を叶える唯一の方法、それが「自分が自分の親になる」ことです。自分が親として自分にどうアドバイスするかと常に考えて、自分の中の親(理想の親)と対話して生きていくのです。

自分が自分の親になる

親的存在は、イメージとしての理想の親でもよいし、神様、仏様、女神様、マザーテレサ、イエスキリスト、観音様などでもよいのです。信心深い人が容易に愛着障害を克服する理由はここにあります。神仏が親代わりとなって愛着障害を癒してくれたのです。あなたがもし、自分を愛着障害だと感じているなら、正しい克服の方法を学ぶことでそこを脱却して、幸せな恋愛と結婚を叶えることができます。「自分が自分の親になる」ワークを実践することが基礎ですが、もし、身近に心の安全基地になってくれる人がいるのであれば、その人の助けを借りていけばもっと早いです。信頼できてなんでも話せる人がいるなら、過去のことをすべて話すことで、それを客観視できるレベルまで俯瞰できるようになります。親への思いをすべて言葉にして語りつくすことは有益です。それができない環境にいる人は、瞑想や祈りの中で、心の中の親と語り合うことで同じように、俯瞰的な見方が育ちます。

愛着障害を克服して幸せになる方法

日常においては自分が自分の親になり、親としての自分が、日常の自分と対話して教えて導くような心の訓練をしていくのです。回避型でも不安型でも、この方法を行ううちに歪みが是正されて、安定型の愛着スタイルが回復してきます。すると、健全な恋愛と結婚ができる対人関係能力が育ちます。自分は愛着障害だから、幸せな結婚はできないとあきらめている人もいますが、それは間違っています。愛着障害の克服は、前述したとおりの方法で十分に可能です。自分が自分の親になるということは、コツがわかればそれほど難しいものではありません。「自分が自分の親になる」という考え方は、自分を育て、導き、成長させる高次の自我を意識して生きることでもあります。理想の親であったり、神様、仏様であったり、歴史上の偉人であったり、その存在の形は人それぞれ違ってよいですが、そういう存在を意識の中に置くことで、不完全な愛着スタイルを成長させて健全化できるのです。これがわかれば、愛着障害は恐れる必要はなくなります。愛着障害を克服するステップの中に入り、それを脱却して、誰でも幸せな恋愛と結婚ができるのです。

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