低登録とHSP

HSPは過敏すぎる人のことですが、低登録とはどのような人のことをいうのでしょうか。それは、情報が脳に登録されにくかったり、切り替わりが悪いことを意味している言葉です。低登録というのは、感覚調整障害の一つです。一般的には、神経学的なレベルの障害で起きていると考えられています。成人の場合は、他人のことに無頓着で誰とも積極的には交流をしない人で、それを何とも思わず、苦にせずに暮らせる「シゾイド」。自閉スペクトラム症や慢性期の統合失調症と関連しているといわれています。

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低登録の二つのタイプ

もう一つのタイプが、虐待されたり、愛着障害が背景にある情緒不安定なタイプです。心のトラウマがあり、慢性的な気分の不安定、自傷行為、家族との不安定な関係で苦しんでいる人に出てくるタイプです。心の奥底では親密な支えを求めているのですが、不安が強く愛着障害があるのでそれができないタイプです。回避性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害の傾向を併せ持っている低登録なのです。HSPの低登録は後者が併存してもっている低登録なのです。

低登録はスイッチの切り替えが苦手

スイッチの切りかわりがうまくいかないので、朝、起きるのが非常に苦手のわりに、夜の寝つきは悪い。一度、行動を起こすまでに、なかなか始められないのに、一度スタートするとそれが止められないといった傾向がみられます。弱い刺激では反応しにくい傾向があるので、目覚まし時計も数個セットしないと役に立ちません。選択的注意や注意の切り替えなどの能力が低い。また、一つの視点にとらわれ過ぎずに別の視点に切り替えたりする機能が弱い。といった特徴があります。てきぱき仕事ができないのです。スイッチが入りにくいことが原因です。

低登録は相手の言葉を聞き取りにくい

相手の言葉が聞き取れず、よく聞き返す。話始めの部分を聞き漏らす。冗談やギャグがすぐにわからない。道路標識をしばしば見落とす。などの特徴がみられます。低登録な傾向は気が回らない、気が利かないという傾向となって表れやすいので社会生活に適応するのが困難になります。その反面、集中力があるので、一つのことにスイッチが入るとそれをとことん追求できることは長所ともなりえます。自分の関心事以外には注意が向かず、エネルギーを一点集中できるという長所があるともいえますので、うまく活かせば、これが幸せを創造する元ともなりえます。

低登録は「わがまま」と誤解されることが多い

HSPと低登録は併存することがあります。また自閉スペクトラム症や愛着障害にも低登録の傾向はみられますので、周囲にわりとこのタイプの人を見かけるかもしれません。また自分にその傾向を見出すかもしれません。周囲の人には「わがまま」と誤解されることもあるので、よき理解者を得ることは大変重要なのです。、

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