「愛着障害」治癒こそ「パーソナリティ障害」改善

愛着障害の治療で名高い精神科医、岡田尊司氏の「死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威 (光文社新書)」は、愛着障害こそが、あらゆるメンタルの不調の根源にあることを最新の研究結果を文献としてとりあげながら、解き明かしています。パーソナリティ障害もまた愛着障害を根源としています。

愛着障害を抱えるとパーソナリティ障害になりやすい

パーソナリティ障害の中でも境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害、依存性パーソナリティ障害、強迫性パーソナリティ障害は、とりわけ、幼少期の親との関係性が大きく影響して発症します。すなわち、その発端は愛着障害にあります。発達障害の場合も、その症状の増悪や軽快と、親との関係性は関連しています。上記の書籍の中で、「子どもの発達障害(ADHD)」と「大人の発達障害(ADHD)」は明らかに違う病態であることが示されています。最新の研究によれば、「大人の発達障害(ADHD)」は、愛着障害が原因で起こるものが非常に多く、子供のADHDとは別の病態であるということです。子供のADHDは成長とともに改善してしまうことが多く、男児に多いのが特徴ですが、大人のADHDには男女差はなく、ある程度、成長してから発達障害の自覚症状を持つものが多いのです。

愛着障害を持つ大人は大人のADHDになりやすい

そして、このようなケースの多くが、母親とのあいだに安定した愛着形成ができない幼少時代を過ごしているのです。母親が精神疾患であったり、愛着障害である場合も多いのです。これまで発達障害は遺伝要因によるもので、親の育て方や愛情は無関係だと広く信じ込まれてきました。専門家もそう説明していたのです。ところが、この学説が根底から覆る研究結果が出たのです。子供のADHDは、遺伝の要素もあるが、大人のADHDはそれよりも、むしろ、愛着障害の後遺症として、発症しているということがわかってきたのです。つまり「大人のADHD」は「愛着障害」を癒すことで治せるということが判明してきたということです。「愛着障害」は、時間はかかりますが、適切な取り組みで治癒させることは可能です。関心のある方は下記の書籍をお読みください。

「死に至る病 あなたを蝕む愛着障害の脅威 (光文社新書)」

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