サイコパスと反社会性パーソナリティ障害とトキソプラズマ

2012年に起きた事件ですが、電車内で財布を盗もうとしたとして、警視庁捜査3課は、窃盗未遂の現行犯で韓国籍のスリ常習犯を逮捕したそうです。76歳の容疑者は、逮捕までに窃盗容疑逮捕歴が18回もあったそうです。18回というのは尋常ではありません。逮捕されるたびに刑事さんや刑務官や心理士などのケアを受けて、更正するように促されてきたはずです。にもかかわらず再犯するとは悲しい限りです。何度逮捕されても改心せず、犯罪を繰り返したことを考えると、もしかすると医師の診断を受けると、反社会性パーソナリティ障害と診断されるかもしれません。反社会性パーソナリティ障害は、別名の「サイコパス」という呼称のほうも普及しつつあります。

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サイコパスとは反社会性パーソナリティ障害のこと

この反社会性パーソナリティ障害は、繰り返し繰り返し犯罪行為を続けて、更正が非常に難しい疾患です。専門医による対応も検討されるべきですがいまだ国の制度は追いついていません。繰り返し犯罪行為をする人の中には高い確率で反社会性パーソナリティ障害が含まれていることがわかっています。こうした人々が再犯を繰り返さないためには、医師などの専門家や心理療法家のサポートを受けながら行動修正をしていくことが大切です。また、社会には一定の割合で、反社会性パーソナリティ障害をかかえる人が存在していることは無視できない事実です。警察や公安は一般の日本国民の安全と平穏を守るために対策をこうじて頂きたいと思います。日本から犯罪を減らすには、いっそう時代に即応した刑法の改正や警察組織の改善が必要です。ところが、犯罪を犯さないレベルの軽度の反社会性パーソナリティ障害の人もいるのです。このような人の場合、社会性を保ちながらも、法律に触れない範囲で、道義心のない卑劣な行為を繰り返し、周囲の人間を食い物にしているのです。なぜ、反社会性パーソナリティ障害が発生するのかについてはさまざまな説がありますが、近年、ある種の寄生虫が原因である可能性が指摘されています。それは猫にいる寄生虫トキソプラズマです。妊婦は猫と暮らすといけないという話のもとになっているとおり、トキソプラズマが妊婦に初感染すると、流早産や胎児に先天性疾患を起こします。猫の糞が混じった砂場の砂、加熱不充分な豚肉、生ハム、生乳などから、後天的感染をしている人が日本人でも三割ぐらいいます。一般に10人に3人ぐらいは、慢性的な感染状態にあるといわれます。急性期のみアセチルスピラマイシンの服用で完治できますが、活動期が過ぎると慢性期に入り、脳やリンパ節や筋肉内に嚢子型虫体として終生感染し、日和見感染菌として存在し、この嚢子型虫体に対する化学療法は未確立です。つまり、一度、感染したら、駆虫する見込みがない、治せないということです。

トキソプラズマと、サイコパス、反社会性パーソナリティ障害の関連性

ネズミは、ネコの出没する場所は避ける習性があります。ネコに食べられないような回避行動を進化の過程で獲得しているからです。しかし、ネコのフンを食べてトキソプラズマに感染したネズミはこの回避行動が消えます。うろうろ徘徊し、ネコに食べられるようになるのです。するとトキソプラズマ原虫はネコの体内に戻って繁殖します。トキソプラズマのDNA解析で、脳内物質ドーパミンの合成に関与する酵素の遺伝子が見つかりました。ネズミは、トキソプラズマによって脳内でドーパミンを過剰分泌して行動が変化しているのです。そして人間もネズミ同様、トキソプラズマの寄生でドーパミンなど脳内物質が変化して、人格変容しているというのです。トキソプラズマが慢性感染した男性は反社会的になることがわかってきています。男性はリスクを恐れなくなり、規則破りや危険行為や、反社会的な行動が増えるのです。つまり、反社会性パーソナリティ障害のような人格になってくるということです。興味深いことに、トキソプラズマに感染した女性は、男性の場合の人格変化とは違って、自分の容貌に気をつかい、性的魅力が増し、男性関係が活発になるということです。同時に、誠実さに欠け、信頼できない傾向が強まるとされています。また、感染していない女性と比べて自殺を試みる割合が1.5倍高かったとの研究もあります。

トキソプラズマは人間の人格を操作し反社会性パーソナリティ障害にさせる?

これまでは、トキソプラズマといえば、妊娠中に、生肉などから感染すると、胎児の発達が遅れたり、脳神経系に障害が出ることが注目されてきました。胎盤から母子感染して流産や早産につながり、胎児の脳や目に障害が出るリスクが知られてきました。トキソプラズマという寄生虫は猫の体内でしか有性生殖しません。そして他の猫への移動手段としてヒトや哺乳類を媒介に使っています。ネズミも人も、同じ目的、つまり、トキソプラズマが猫にとりつくために動かされています。人への感染は、食肉やネコの糞を介した経口感染です。ネコ科動物の腸管内で有性生殖したトキソプラズマは「オーシスト」をつくります。これが猫の糞に出て土壌や水に混じり、そこから動物が感染し、体内で増殖が始まります。トキソプラズマは人間の感情や人格に影響を与えるほか、症状はありません。健康な成人には、感染しても、はっきりした症状が出ないのです。そして、脳内物質をコントロールされ、人格が変化したり、猫好きにもなってしまうのです。フランス人の45%、ドイツ人の43%、ブラジル67%、スペイン44%、日本は30%がトキソプラズマに感染していることがわかっています。この感染率からは、ネコと人、ネコとネコ、人と人の間でのトキソプラズマの移動が起きているとするのが妥当です。人同士では粘膜を介しての感染などが想定されていますが、いまだ研究が進んでいません。ネコの糞からの接触感染が、学校や公園の砂場での子供たちへの感染経路です。ネコに触れることにもリスクがあります。ネコ好きの人がネコとキスしたり、ネコに舐めらることでも感染が拡大します。

トキソプラズマは人と人との接触でも感染拡大している?

トキソプラズマに感染した人はネコに接触したがるようになるともいわれています。「ネコを溺愛する人」は多いですが、トキソプラズマに脳を操られてそうなっている、という可能性は否定できないということです。また、トキソプラズマは人間の脳のグリア細胞に寄生して統合失調症や双極性障害になりやすくするとの研究報告もあります。シスト状態で脳内に寄生するトキソプラズマが脳内伝達物質ドーパミンの放出を促しているのです。トキソプラズマの感染は血中のトキソプラズマ抗体の有無をチェックしているだけです。人体においてトキソプラズマが何処にどんな形で存在してるのかは十分に判明しておらず、性行為感染症として人から人へ感染する可能性については否定されてはいないのです。むしろ、頻繁にそれが起こっていると考えるのが妥当です。

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