引きこもりとパーソナリティ障害

引きこもりになりやすいパーソナリティ障害は、境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害、シゾイド型パーソナリティ障害、回避性愛着障害などです。

目次

他者との関係がうまく構築できない境界性パーソナリティ障害

学校や職場で人間関係のトラブルを繰り返すうちに、やがて引きこもりになってしまうことが多いです。境界性パーソナリティ障害は感情の起伏が激しく、他者への依存と他者との衝突を繰り返します。不安定な人間関係を生み出す根底にあるのは「見捨てられ不安」という意識です。常に自分は見捨てられるかもしれない、裏切られるかもしれないと疑心暗鬼になります。愛着障害を背景にしていることが多く、愛されるために人を引きつけようとする「対人操作」が特徴です。そして、強い自己否定の観念を持ち、自分に自信がありません。「信頼している人に冷たくされた」、「否定された」と疑心暗鬼になり、引きこもったり、自暴自棄になります。

対人操作しようとし親に寄生する引きこもり

「自分は見捨てられた」と絶望し、社会から逃避するようになります。感情が激しく不安定で、突然怒り出したりします。対人関係もうまくいかず、友達もできないので、引きこもるのです。その一方で孤独に弱く、常に誰かと一緒にいたがり、親に頼り、他人に見捨てられるのを極端に怖がる傾向もあります。不安定型愛着障害を背景にしていることが多く、「自分に好意的で支えてくれそうだ」と思うと積極的に近寄り、少しでも冷たい態度をされると執拗に執着し、完全に見捨てられたと思うと、手のひらを返したように批判します。「リストカット」、「自殺企図」などの破壊的行為、「過食、自己嘔吐」といった依存的行動が出ます。

回避性パーソナリティ障害の引きこもり

引きこもりでもっとも多いのは回避性パーソナリティと考えられています。困難に立ち向かおうとせず、逃げる傾向があるため、容易に引きこもります。登校拒否や出社拒否など引きこもりになりやすく、自分は社会的に不適格で魅力に欠けているとの思い込みが強く、このタイプの人は、笑われること、恥をかくこと、嫌われることを怖がるがゆえに、他者との交流を避けるのです。悪い未来ばかり夢想し、失敗や傷つくことを恐れます。対人関係から逃げるために引きこもるのです。友人関係を広げることができず、傷つくことのない数人の友達と過ごしがちです。その結果、新しい情報や縁をつかみにくいので運が開きません。回避性パーソナリティ障害になりやすいのは回避性愛着障害を抱える人です。

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