自己愛性パーソナリティ障害によるうつ症状

急増している「新型うつ」の原因として、自己愛性パーソナリティ障害によるうつ症状があります。これは、もともとあった自己愛性パーソナリティ障害のために、二次的におこるうつ状態です。このタイプは、知的水準は高い場合が多く、経営者や政治家などのリーダーの立場に立つのが好きな人は、自己愛性パーソナリティ障害の傾向をもつ人が多いのです。

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肥大した自我意識と自信を特徴;自己愛性パーソナリティ障害

過大な自信と自我意識が肥大し過ぎて問題を起こす自己愛性パーソナリティ障害は、本人に社会的な実力がともなわないときに、激しく挫折感を味わうことになります。特に就職してすぐの段階では、若者は上司の叱責をうける機会も多くなります。ふつうの人間では、反省して終わりのような事例でも自分の尊厳が傷つけられたと思い込んで、うつ状態になってしまうのがこの人格障害の特徴なのです。「新型うつ」という新しい病気があるわけではなく、あくまでも従来のうつ病とは明らかに違うタイプの抑うつ症状を示す用語ですが、この病気は大きく三つに分けることができます。

うつ状態になるそのほかの原因

第一は、心理的なうつ病の一部であるというケースです。これは治療をしないと、本格的なうつ病に進展します。第二には、低血糖症状の一つとして、うつ状態になるケースです。若者で多い症状ですが、糖分過剰摂取によるうつ症状とも呼ばれています。これは、砂糖の多い缶コーヒーなどの飲みすぎでもおこります。ふつう糖分を取りすぎると中高年では血糖値が上がることで糖尿病のリスクが高まりますが、これに対して、糖尿病の傾向がなくて、すい臓が元気な若年層では、糖分を摂取することで逆に低血糖になりやすいのです。どういうことかというと、糖分が体内に入るとインスリンが分泌され、その作用が効き過ぎることで、かえって血糖値が下がる結果、低血糖になるのです。すると脳内ではエネルギー不足となり、あたかもうつ病のような心理状態になるのです。これが、低血糖による、うつ状態です。

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自己愛性パーソナリティ障害が引き起こす新型うつ

第一と第二の原因を除けば、もっとも多いのが、自己愛性パーソナリティ障害のために、二次的におこるうつ状態なのです。これは、自分への愛が膨張しすぎて等身大の自分が見えなくなっている状態です。このタイプは、自画像がゆがんでいるため、自分の能力を過剰評価しています。自信過剰なタイプです。しかし、いきなり仕事がバリバリできるということもないので、当然、上司の叱責や指導を受けることになります。すると、会社での扱いが不当だと感じてストレスがたまるのです。その結果、文字通り、うつ状態になって出社できなくなったりします。ところが、会社には行けないのに、休暇中は派手に海外旅行をするなど、非常識でアンバランスな行動がみられるのです。このタイプの新型うつには抗うつ剤は効きにくいのが一般的です。むしろ、治療はカウンセリングが中心となります。認知行動療法などを主体として、心理療法を行います。考え方を変えていくように促すためです。まず理屈でわからせ、本当の自分の姿と向き合わせることから症状が改善していきます。周囲の人と摩擦を起こさず社会生活に溶け込めるように人格障害を緩和していくのです。

パーソナリティ障害が、うつ病の背景として潜んでいる

自己愛性パーソナリティ障害に限らず、境界性パーソナリティ障害や、依存性パーソナリティ障害の場合でも、耐えきれないストレスにさらされると、容易にうつ状態に陥る傾向があります。それだけ人格が未成熟であり、外界からの圧力に耐える力が乏しいのです。ふつうの人なら、失敗があればそこから学んで向上しようとしますが、失敗を単なる苦悩としてのみ受け取り、自己の向上に結び付けられないところが、パーソナリティ障害の特徴ともいえるでしょう。また、強迫性パーソナリティ障害の場合は、自己に課した規律や規則などにがんじがらめになっていくうちに、その重圧によって、ある時、限界に達し、うつ状態に陥っていくケースがあります。いずれの場合でも、患者がどのタイプのパーソナリティ障害なのかを自覚させ、認知の歪みを解消させて人格を成熟させるサポートをすることが根本治療となります。

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