見捨てられ不安が強い境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害の人は、他人に見捨てられるかもしれないという不安がものすごく強く、そのためにちょっとしたことに過剰反応する傾向があります。他人の言動を非常に気にして、些細なことで、自分が拒否された、自分が拒絶されたと思い込む傾向があります。その拒否や拒絶が、境界性パーソナリティ障害の人の見捨てられ不安をさらにかきたてます。すると、相手に見捨てられまいとしてしがみつくような行動をとることがあります。自殺をほのめかしたり、自傷行為をして相手の関心をさそったり、パニック発作や心身の不調の訴えをしたりして、とにかく相手の気持ちをこちらにひきこもうと必死でしがみつきます。

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メンタル疾患を次々に引き起こす

このような行為がエスカレートすると種々の依存症やうつ病、不安障害を発症していくのです。また、しがみつき行動が効果なしとわかると、今度は、怒りが燃え上がり、相手を攻撃しようとします。暴言や暴力をふるうこともしばしばみられることです。嫌がらせをしてみたり、ストーカー行為をしてみたり、衝動がおさえられません。最悪の場合には衝動的に犯罪をおかしてしまうこともありえます。ふつうの人にとってはなんでもないような他人の言葉や行動まで拒否や拒絶として受け取るので周囲は始末に終えません。見捨てられたという思い込みは、たとえば電話にでなかったとか、メールに返信しなかったといったことだけで、自分が嫌われていると勝手に結論を出してしまうのです。幼児期の見捨てられ体験で傷ついた心が背景にあるので、見捨てられることを過度に恐れているため、こうした行動が出てくるのです。いわゆる恋愛依存症とよばれている傾向も、実際は境界性パーソナリティ障害であることが多いのです。

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