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パーソナリティ障害と二分思考
パーソナリティ障害について知っておきたいことの中でも、接し方というのは
非常に重要です。パーソナリティ障害の人にどう接するかによって、
周囲の人の受けるストレスも大きく変わるからです。
パーソナリティ障害は、どのタイプであっても、二分思考の傾向があります。
ものごとを白か黒かでして考えることができず、グレーゾーンを理解しません。
そのため、会話していても、ちょっとした言葉のもつれから、
それまで良好だった関係が、突如、最悪の関係になったりします。
特に、境界性パーソナリティ障害においてこの傾向が顕著です。
接し方に注意を要するパーソナリティ障害
二分思考というのは、幼児期に見られる思考様式であり、
パーソナリティ障害は、幼児期の自我意識がそのまま、
成熟せずに持続している状態なのです。
そのことから、未熟な自我を成熟させるように導いていくことが大切です。
歪んだ認知のあり方をひとつひとつ解除していくには根気が必要です。
しかし、強い思い込みを固く保持しているパーソナリティ障害の人に対して、
周囲が根気よく、思い込みの解除を誘導していくことで、本人の世界観を
自由で自在なものへと成熟させていくことが大切です。
自分の中にある両価的思考に気づかせていく
両価的な思考というのは、正反対の思いが併存している状態です。
プライドと、劣等感が共存しているため、自分を守ろうと攻撃的になります。
抑うつポジションになることを避けようと、相手を責めたり、見下したりします。
また、他人と自分の境界線があいまいであり、他の人の行動内容にいつまでも
心がとらわれてしまって、離れることができない傾向があります。
完ぺき主義で融通が利かないことも多く、がんじがらめに自分を縛っています。
これらの歪んだ認知を少しずつ見直し、解除していくためにも、本人に自覚させる
教育と、適切な誘導が必要になります。
パーソナリティ障害というものをまず知識として、知らせ、自覚させることで、
その状態から脱出する力が生まれます。