パーソナリティ障害の人とうまく付き合う方法

パーソナリティ障害をかかえる人とのかかわり方で大変重要なことが、常に中立的な態度で接するということです。パーソナリティ障害の人が憎む相手をいっしょに憎むということなく、また、パーソナリティ障害の人の敵になるわけでもなく、あくまでも中立的な態度でむかうことです。パーソナリティ障害の傾向がある家族や友人、職場の同僚とうまくかかわる方法を理解しましょう。

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敵か味方かを敏感に見分けるパーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害で特に顕著なのが、自分を否定的に見ている人間か、自分を肯定的に見ている人間かを敏感に見分けるところです。これは自己愛性パーソナリティ障害などほかのタイプにも多く見られる傾向です。言葉の端々から自分のことをよく思ってないと感じると、たちまち心を閉ざし、相手を受け入れようとしなくなります。その結果、敵愾心を持たれて、攻撃的な言葉で反応してきたり、敵とみなされ、対抗意識を持たれ、良好な関係が築けなくなります。その反対に、好意的でありすぎてもうまくいきません。過度の好意や賛同や賞賛を与えると、こちらに対して過剰な期待を膨らませて、依存してきたり、頼み事をしてくるようになります。それを断ると、「裏切られた」と判断して、手の平を返すように攻撃的になるのです。

「問題児」として扱わず、自然体で虚心坦懐に接する

パーソナリティ障害の人とうまく付き合うためには、相手をありのまま見て、先入観を持たないかのような態度であることが大切です。パーソナリティ障害のある人は、対人関係ですでにうまくいってないことも多いので、相手のわずかな先入観さえも感じ取ることが多く、「問題児扱いされた」と反感を持ってしまうことがあります。もちろん、なんでも言いなりになるような言動をすることは要注意です。親切心だけでは、パーソナリティ障害の人とはうまく関係を構築することはできません。熱心に親切な態度をとることは結果的に事態を複雑にすることもあります。常にこちらのパーソナリティが安定し、ゆるぎない状態にあることが重要です。

誠実で中立的なゆるぎない安定感をかもしだす

パーソナリティ障害の人に対しては、誠実な対応プラス厳しさが必要です。パーソナリティ障害の人はどんどん援助者に依存してしまうという特性があります。その状態にならないためにも、相手との境界線を引いて、相手の気持ちを受け止めながらも、冷静に思いこみを見極めることです。パーソナリティ障害の人はしばしば思い込みにとらわれます。頭ごなしにそれを否定するのではなく、本人の思いを受け止めつつも、自然に思い込みや思い間違いに気づくように、どんな気持ちなのかを確かめていくようにしましょう。どんなことがあって、どんな気持ちになったのかを確認させるようにしていくことを、あせらず、ゆっくりと進めていく作業を相手の気持ちに寄り添いながら行うことが大切です。そして、少しずつ、別な見方、別な視点を提示したり、相手の本心を確かめるように問いかけていくことも有益です。

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