自己愛が強すぎる自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害の症状が軽いタイプは、しばしば見かけます。自己愛性パーソナリティ障害だということが最初のうちは、わからないことが多いです。顧客にはとても親切な気遣いを見せ、洗練された趣味を持つようにみえる管理職の会社員だが、部下や身内には怒鳴り声をあげることが多く、家に帰ると妻子にとても強権的に接し、威圧的に言動し、大声で怒鳴ったり、しゃべりだすと何時間も一人で持論を展開します。

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ワンマン社長やプライドが高すぎる自信家は自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害の人は、気まぐれで、些細なことでも気に入らないことがあると、突然、罵倒し始めるのです。母親に溺愛されて育ったような人に多く、大言壮語するのが好きです。典型的なタイプは、とある弁護士です。精神科医療にかかわった医療従事者ならば、あの弁護士のテレビやネットでの言動を見たら、即座に「自己愛性パーソナリティ障害の人だね」とわかります。彼は、沖縄に関する自分の論考を批判されたことで、とあるネットニュース会社の社長をツイッターで激しく罵倒し、人格を否定するような言葉を並べて、攻撃していました。このようなことが平然とできるのが自己愛性パーソナリティ障害の人の最大の特徴です。ある精神科医が、この弁護士のことを「彼は自己愛性パーソナリティ障害の可能性が高い」と述べたことにも激しく反発し、「おれを実際に診察してもないのに何でわかるんだ」と攻撃を繰り返しました。いや、わかりますよ。あなたの発信する文章やあなたの行動様式が自己愛性パーソナリティ障害の人に典型的なんですよ。

長所を活かし適応すれば自己愛性パーソナリティ・スタイル

ところで、パーソナリティ障害と、パーソナリティ・スタイルはどこで区分けされるのでしょうか。それは、社会生活や職業生活において、その特徴を上手く生かして社会適応ができている場合は、自己愛性パーソナリティ・スタイルということになります。くだんの弁護士は、もう少し、言論を慎み、社会性を養えば、障害からスタイルに格上げされます。今のように相手の人格を貶めるような言葉を平然とツイッターでまき散らしている限りは、自己愛性パーソナリティ障害の範疇ということになるでしょう。自己愛性パーソナリティ障害の人の基本的な信念は、「自分は特別なので、賞賛され、特別な扱いを受けて当然だ」という思い込みにあります。そして、他者の存在は、自己愛性パーソナリティ障害の人にとっては、自分の目的のために利用するものにすぎません。自分を賞賛する以外、許さないのです。つまり自己愛のみ肥大化し、他者への慈愛がまるでありません。

偉大な自分に相応しい成功を夢想する自己愛性パーソナリティ障害

知事選などに出るのは、「偉大な自分に相応しい華々しい成功」を夢想しているからです。決して、人民を救うというような大義ではなく、自己愛の結果です。ですから、少しでも批判されると、他人に対し、尊大な態度をとるのです。政治手腕も緊縮財政を強いて、自治体のGDPが返って減少し、民は貧困化しただけでした。身を切る改革という美辞麗句で結果的に民の収入が減り、貧困化したのです。政府の借金とは国民の資産ですから、地方においても同じです。緊縮財政でお金を使わねば、その地域は貧困化するのです。しかも、その改革を手柄として今でも自慢している有様です。その時代の政治手腕を批判されると激高します。賞賛以外は許さず、批判した大学教授にも罵詈雑言を浴びせかけていました。特別扱いされることを常に求めているのです。その一方で他者の気持ちや心情への配慮は皆無なのです。他者の心情に無頓着であることが自己愛性パーソナリティ障害の大きな特徴です。だからこそ、ツイッターに、ひどい言葉を並べて、他者を平然と中傷したりできるのです。さらに悪いことに、自分がそのようなひどいことをしているという自覚さえもありません。

引きこもりになることもある自己愛性パーソナリティ障害

意外なことに、引きこもりになる人も多いのが自己愛性パーソナリティ障害の特徴です。これは自分の思い描くような成功がつかめず、その野心が果たせないような場合に、理想と現実のギャップに耐えられなくなり、社会から逃げて自分の殻の中に引きこもるのです。このような引きこもりの人は、親や家族に、暴言、暴行を重ね、周囲を支配して、引きこもり生活を維持しようと画策します。老親を脅して、衣食住を得て、自室に引きこもるケースも多いです。自己愛性パーソナリティ障害の人は、外見にかかわらず、心の中では、自分を偉大な神のように感じています。自分を唯一絶対の存在と位置づけ、自分こそが重要、自分こそ世界の中心なのです。だからこそ、とても傲慢で尊大な態度をとり、自分が特別扱いされないと、逆切れするのです。周囲には要求ばかりし、それが満たされないと不機嫌になり、攻撃的になります。治療は非常に難しいです。本人が病識を持ち、治そうと動かない限り、改善しません。病識を持つことも非常に困難です。

表面をとりつくろう二面性を持つ自己愛性パーソナリティ障害

一見、控えめで自信がなさそうに見える場合もありますし、気を使い、周囲に親切そうにふるまうこともあります。しかし、それはあくまでも表面の部分であり、自己愛性パーソナリティ障害の持つ二面性といえる部分です。少し親しくなったり、関係が濃くなってくると、しだいに本性を現してきます。そのため、自己愛性パーソナリティ障害の夫を持つ妻は非常に苦しみます。父親が自己愛性パーソナリティ障害であると、子供は非常に苦しみます。モラハラや虐待を非常に起こしやすいという特徴を持ちます。また「自己愛的ファンタジー」を抱いていることが多いです。これは、自己愛の誇大妄想が込められた夢想を信じている状態です。途方もない大成功で人生が一変して自分に相応しい理想的人生が始まるとの夢想です。飽くなき賞賛への欲求がある一方、批判されると過敏に反応します。くだんの弁護士も、自分の沖縄論が批判されると、激しく怒り狂い、相手の人格を否定する言動をツイッターに連続して投稿していました。思い通りにならないと激しい怒りにとらわれるのが特徴です。自分に非がある場合でも、相手の不手際や欠点を責め立てます。「なぜ、俺を怒らせるんだ」というのは自己愛性パーソナリティ障害の人の常套句です。そして「相手をバカ呼ばわりする」のも大きな特徴なのです。

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