多くのパーソナリティ障害は、現在では改善可能であると考えられています。
社会経験や人格鍛錬、そして加齢や心理療法など治療によって、
性格の偏りが少しずつ修正されて、偏りが次第に小さくなります。
すると、バランスのよい性格に改善していくのです。
しかし、環境が悪いままであったり、孤独なまま放置されていると、
偏りがさらに強化されてしまうこともあります。
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思春期に多い境界性パーソナリティ障害
一般的に性ホルモンが多く分泌される思春期には衝動性や
過敏な反応が強化されますが、多くは30代後半にもなると落ち着いてきます。
さらに年齢とともに性格が丸くなるように変化することも多いです。
「人は変れない」というわけではないということです。
人格はしだいに成長できるものであり、年月により「人は変れる」のです。
改善をさらに促進するには、認知高度療法や対人関係療法、
弁証法的行動療法などの心理療法を行います。
薬物療法への反応が乏しい境界性パーソナリティ障害
また症状があまりに強い境界性パーソナリティ障害の場合は、
薬物療法も併用しますが、それは一時的であるべきです。
心療内科や精神科では安易に薬物療法を開始し過ぎる傾向があります。
非定型抗精神病薬、気分安定化薬、抗うつ薬(SSRI、SNRI、
三環系、四環系)、抗不安薬などを症状にあわせて適宜活用します。
問題は、こうした内服薬こそが心の問題の解決なのだと思い込みやすいことです。
境界性パーソナリティ障害の人は薬物に依存しやすいケースが多いので、
依存性の高い薬剤は慎重に使用しなければならず、注意が必要です。
しかし、ほとんどの精神安定剤も抗うつ剤も依存性が高いのです。
薬漬け医療から抜け出せない境界性パーソナリティ障害
精神科やメンタルクリニックで、うつ病あるいは双極性障害と診断されてしまう
人の中には、境界性パーソナリティ障害の人がかなり含まれています。
適応障害や社会不安障害やパニック障害でも同じです。
これらの患者は、境界性パーソナリティ障害の克服を第一にしていけば、
結果的に、うつ病などの疾患も治ってしまうのです。
しかし、多くの精神科医療の現場では、表面に出ている疾患の治療を優先し、
そのまま患者を薬漬けにして、十年も二十年も囲い込み「飯のタネ」にしているのです。
こうした社会の矛盾を知って、患者やその家族の側が、行動を起こし、
境界性パーソナリティ障害の克服のためにできることを開始すべきなのです。
医者任せにしていては、死ぬまで薬漬けにされ、何も解決しません。