回避性パーソナリティ障害の恋愛

回避性パーソナリティ障害の傾向がある人は、人と緊密な関係になることを怖れがちです。他者を怖れるので必要以上に距離をとることで自分を守ろうとします。そのため、異性と親しくなることがなかなかできません。相手が自分の領域に入ってくることを避けようとし、その行動は、心理的な面だけではなく、物理的にも、また、身体的にも、自分と他者とのあいだに壁を作るものとなります。

他者との距離を近づけることができない

身体的な接触は特に回避性パーソナリティ障害の人にとって恐怖です。十分に信頼関係を構築するまでは、身体的な接触を極度に恐れることも多いです。顔と顔とを向かい合わせにすることさえも、不安を増し、目をじっと合わせることもできないのです。このため、異性と親しくなるということがなかなかできず、恋愛関係にも発展しずらい傾向があります。こうした壁を通過して、回避性パーソナリティ障害の人と仲良くなるには、ゆっくりと時間をかけて信頼関係を育んでいくという方法が最善です。急ぎ過ぎると、逃げてしまうでしょう。特に体がじかに触れるということに強い不安があり、不快感を感じることもあるので、注意が必要です。

神経が過敏で自分に自信が持てない

回避性パーソナリティ障害の人は、他人と過ごすことを大きなストレスに感じます。完全に信頼しあえる相手をのぞいて、親族や友人であっても、気を遣い過ぎ、心労してしまうのです。そのため、人と会うだけでも、後から大きな疲労感に見舞われます。そうした経験を通じて、いっそう人前に出るのが嫌になり、いろいろな人と会うのがしんどくなっていくのです。こうした性質があるため、異性のパートナーをつくることが難しくなります。その一方で、直接対面しないネット上でのメールのやり取りなどは比較的ストレスを感じることなく行える傾向があり、親しくなるために、メールのやりとりなどを十分に行うことも良い方法となります。

失敗を極度に恐れるため動けない

回避性パーソナリティ障害の人は、失敗することを極度に恐れる傾向があります。自己価値が低いために、自分に自信が持てません。そのためチャレンジから逃げます。その結果として経験値が蓄積されることがないため、ますます、人生に自信が持てなくなるという悪循環に陥るのです。「どうせ無理」「やっぱりダメ」「失敗するに決まっている」「うまくいくはずがない」といった否定的なフレーズをしばしば口にするのも回避性パーソナリティ障害の人の大きな特徴です。

低い自己評価とネガティブ思考

回避性パーソナリティ障害の背景としてあるのが低い自己評価です。また、認知の歪みがあり、その中でも悲観的予言が多くみられます。これは物事の結末を何でも悪い方へ予測する思考の癖です。恋愛などにおいても、最初から悪い結末を予測してしまうので、行動できなくなるのです。こうした認知の歪みを根気よくとりのぞくには、認知行動療法などの心理療法が必要となります。若い時に自分を客観視できる機会があれば、成功哲学などを学ぶうちに、この傾向を克服していくケースもありますが、そうしたチャンスがないと、恋人ができない、結婚できないといった事態になりがちです。そして、回避性パーソナリティ障害の人は、こうした問題を避けるためにも最初から、異性と親しくなることに消極的であることを貫こうとするのです。

本人の自覚またはパートナーの働きかけ

もし、回避性パーソナリティ障害の人に対して、ゆっくりと時間をかけて親しくなってくれる相手が現れたら、その人によって心の壁がしだいに開かれて、パートナーとの安定的な愛着関係を築くことができる場合もあります。いったん信頼関係を築くと、末永く、関係を維持できることは、回避性パーソナリティ障害の人の長所となります。それでも、回避性パーソナリティ障害の人の性的嫌悪の頻度は高いともいわれています。羞恥心が強く、体による表現が苦手で、身体の密接な触れ合いが苦手であるためです。この場合もパートナーとなる人が、その特性を理解して、じっくりと時間をかけて、関係を深めるようにすれば、パートナーとの幸せな関係性を生み出すことも不可能ではありません。根気よく、気持ちを聞いてあげるよう心掛けることで心を開いていくようになります。

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