境界性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ障害と自己愛性パーソナリティ障害は、症状の中に類似したところがあるため、しばしば、診断において、混同されたり、混乱する場合があります。差異としては、自己愛性パーソナリティ障害は、成人後にも多く、境界性パーソナリティ障害は、思春期に多いということです。どちらも、自己中心性がみられるものですが、境界性では、「見捨てられ不安」「自己の価値観の低下」がみられるため、他人からどう思われているかについて、過剰なまでに気にする傾向があります。 これに対して、他人の感情や意図をまったく無視してしまうのが、自己愛性パーソナリティ障害の特徴です。こちらは、自分本位にすべてを考えて、周囲を利用したり、支配したり、思うままに動かすのが特徴です。

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社会に増加する自己愛性パーソナリティ障害

他人にまったく共感がなくて、無関心、愛しているのは自分だけというのが、自己愛性パーソナリティ障害の特徴なのです。ただし、自己愛性でも、内気で、自分を出さず、周囲の評価を気にする内向的なタイプがあります。こちらは他者の反応に敏感で、すぐに傷つけられたと感じます。こちらのタイプは、境界性パーソナリティ障害と似た印象を受けるものです。 そして、境界性も自己愛性も、ともに対人関係がうまくいかず、わがままで自己中心的な性格であることが共通項です。自己愛性は、自分は特別な人間であると思い込むことによって、自我の重要感を保持しようとしているのです。同一性のまとまりがあり、見かけ上は、社会適応がよいようにみえます。境界性は、同一性のまとまりがありません。そのため、社会適応が困難です。見捨てられることを何より恐れるので、周囲にすがりつこうと感情的になります。

自己愛性パーソナリティ障害のことがよくわかる本 (健康ライブラリー イラスト版)

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