依存性パーソナリティ障害の人は、他者に依存する傾向が強く、そのために人生にさまざまな苦悩を抱え込むことが多いです。このタイプの人は、母親や父親や夫や妻や兄弟姉妹あるいは交際相手などの特定の人間に愛着を形成して深く依存します。その依存は、自分の自由な意思さえも抑圧するほど強く、結果的に、物事を自分が判断することができなくなり、特定の他者に何もかも依存し、行き過ぎると日常生活に支障が出ます。
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日本人に多い依存性パーソナリティ障害はほとんどが女性
どのような傾向があるのかというと、人生における自分の管轄下にあるべきことがらを自身が判断できず、愛着形成した他人の助言を求めてしまいます。生活のあらゆる面で他者に全て責任をゆだねてしまう傾向が強いです。そして、問題なのは、そうやって依存している相手が要求したことについて、非常識なことや理不尽なことでも、それに服従してしまう傾向があることです。このため、悪意ある人に利用されたり、そそのかされる場合もあります。もっとも多いのが恋愛におけるトラブルです。特に女性に多い症状ですが、恋愛すると、パートナーに対して、常に受動的になり、自己の欲求や意見がうまく出せなくなり、さらに自分一人では生きていけないと考えます。
孤独であることに強い恐怖を感じる依存性パーソナリティ障害
自分を信じて一人で生きるということができないため、一人でいると無力感に陥ります。そのような依存する相手がいない状態になると、たちまち、別の依存対象を探します。このため、しばしば「恋愛依存」と呼ばれる心理状態になりがちです。依存性パーソナリティ障害は、子供に対して親が過保護すぎることが原因の一つです。自分で考えて対処すべきなのに、子供の代わりに親が出てすべて解決するような家庭で、しばしば、自立心を妨げられたまま成長し、恋愛などの重要な場面で失敗します。育児放棄されることで起こる場合もあります。依存性パーソナリティ障害では、他者に依存していることへの自覚がありません。まず本人が依存性パーソナリティ障害を自覚する必要があります。カウンセリングにより、自分がどうしたいのかという感情を自覚できるように育てます。自己中心と自分尊重の境界線を理解できないことも多く、それがわかるようにバランス感覚を育てます。最初は、多少、自分本位に生きるぐらいでいいと
自信をつけるようにし、誰とでも対等な人間関係を築けるように導きます。依存することで安心を得る、という心の習慣を解除していくのです。
依存性パーソナリティ障害と強迫性パーソナリティ障害の恋愛
依存性パーソナリティ障害の人が強迫性パーそナリティ障害の人と恋愛すると、強く結びついてしまい、なかなか離れられません。うまく凹凸が合うためです。強迫性パーソナリティ障害は、女性よりも男性に多いのでしばしばこの組み合わせが生まれてしまいます。規範や規則への異常なこだわりがある強迫性パーソナリティ障害の男性が、依存性パーソナリティ障害の女性を支配し、服従させて縛り付けてしまう形になります。融通が利かない強迫性パーソナリティ障害の男性のために、女性が苦しむことが多くなります。男性が完璧主義者であるために女性のミスも許すことができません。頑張っても褒めてもらえなかった幼少期の家庭環境から発生する強迫性パーソナリティ障害も、本人が自覚を持たないと改善しません。細かいことにこだわりすぎ、少しでも予定が狂うと相手を批判したり責めて、協調的な対人関係を構築できないので、依存性パーソナリティ障害の女性を都合よく抱え込みます。女性のミスを厳しく追及しがちになって関係が破綻することも多いです。