どこからが境界性パーソナリティ障害なのか

境界性パーソナリティ障害は、幼児期の愛着障害を背景に発症し、
見捨てられ不安が強いことと、低すぎる自己価値、強い自己否定の意識にとらわれた状態です。
恋愛などの対人関係が上手に構築できず、そのストレスから、リストカットや
ODつまり薬物乱用をする人が多く、自傷行為、自殺企図が問題になることが多く、
医師との関係においても、葛藤や衝突などが多いため、生きづらくなります。

目次

パーソナリティ障害とパーソナリティスタイル

境界性パーソナリティ障害は、若い女性に多いことがわかっています。
症状の特徴は、見捨てられることへの不安がたいへん強く、見捨てられまいとして
過激な行動、過剰な行動をしたり、自暴自棄な行動をします。

見捨てられるぐらいなら死んでやるとか、捨てたことを後悔させてやると
いった思考になる場合も多く、それが自傷行為やリストカットにつながります。

過呼吸、過喚起、解離性症状から、一過性の幻覚まで見られます。
このため精神病と間違われるケースもあります。
そこまでひどくなくて、日常生活に支障のないものもあります。
軽度なものは、障害と呼ばず、パーソナリティスタイルつまり性格の傾向と考えます。

境界性パーソナリティ障害の持つ自己への無価値感

「自分は無価値な存在であるからいずれ見捨てられる」という信念を
抱いてしまっているのが境界性パーソナリティ障害の特徴です。
すべての行動はこの観念から生まれているのです。

境界性パーソナリティ障害の人を熱心に支えようとすると、
見捨てられ不安を背景にどんどん要求がエスカレートする傾向があるので、
あらかじめ限界を設定して、それを超えた行動をとったら、決めていた
対処を厳然ととるように接します。

境界性パーソナリティスタイルの人はありふれている

境界性パーソナリティ障害とまでいかなくても、若干その傾向があるものが、
パーソナリティスタイルです。境界性タイプのパーソナリティスタイルの人も
見捨てられ不安と低い自己価値という特徴を持っていますが軽度なので、
日常において大きな障害を生むことは少なくなります。

それでも恋愛関係や夫婦関係のように密着した人間関係となると、
見捨てられ不安からくる相手への依存的言動やわがままによる試し行為。
そして、低い自己価値感を背景とする常軌を逸した観を呈する行動が
表面化し、パートナーを混乱させ、苦悩させる場合もあります。

どこからが障害でどこからがスタイルかは、判然としないことも多いため
精神科医や心療内科医でも判断が分かれる場合も多いのです。
日常生活に支障をきたすということをどのように規定するかにもよるのです。

境界性パーソナリティ障害および境界性パーソナリティスタイルの人の
恋愛傾向や、恋愛の成功のための心構えなどの詳細は下記の書籍を
読むと理解が深まります。


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