パーソナリティ障害の10タイプ

「パーソナリティ障害」とは、性格の偏りがあまりにも
激しいために、周囲を苦しめるだけではなくて、自分自身も苦しんでしまう状態です。

それは日常生活にまで大きな差しさわりがあるものをさします。
ちょっと性格に偏りがあっても、日常生活においては、
さしたる支障がないという人は、「パーソナリティ・スタイル」といいます。
これは障害ではなく、個性の範囲になります。

目次

10人に1人はなんらかのパーソナリティ障害を抱える

偏り方は大きく10のパターンに分かれますが、それぞれに特徴があります。
十人に一人は、このパーソナリティ障害にあてはまるとされています。

うつ病になる人の半分は、パーソナリティ障害があり、
そのために、うつ病になっているとされています。
また自殺する人の六割はパーソナリティ障害だといわれているのです。

パーソナリティ障害は、人格の成熟が未熟なまま成長したものであり、
根気よく、その人格を育てるカウンセリング、認知行動療法などの
心理療法によって、改善していく可能性があります。

すぐれた心理療法家の助けを得て、パーソナリティ障害を克服する
ことはできるのです。

パーソナリティ障害の本質は人格形成の未熟性にある

「パーソナリティ障害」とは「性格が著しく偏った状態」
ですが、ではその偏りが著しくなる理由は何でしょうか。
そもそもパーソナリティは人格のことですが、人格とは、気質と性質によってできあがっています。

そして、この人格は、不変のものではなく、可変のものだと最近わかってきています。
性格とは生まれてからの心が今日まで到達したものであるゆえに
新たに変化させることも可能であるというのです。

パーソナリティ障害の人はずっとその性格であったわけではなく、
挫折したり、傷ついたり、なんらかの体験がきっかけになって、
性格のバランスが悪くなっていると考えられるのです。
つまり時間はかかるけれども、適切な方法で改善できるものなのです。

アメリカ精神医学会の診断基準では三つの群に分け10種に分類

A群は奇妙で風変わりな人格を特徴とするグループで三種類あります。
妄想性パーソナリティ障害 (不信感や猜疑心が強く、妄想を抱くことを特徴とします)
統合失調質パーソナリティ障害 (対人関係の構築が困難で非社交的。他者への関心が乏しい)
統合失調型パーソナリティ障害(感情の幅が狭く適切さを欠く)

B群は感情的で移り気なグループで、この群に境界性や自己愛性が含まれます。
境界性パーソナリティ障害 (見捨てられ不安、対人関係が不安定、衝動行為を繰り返す)
自己愛性パーソナリティ障害(傲慢で尊大。自己中心。自己評価に強く執着。)
反社会性パーソナリティ障害 (衝動的、危険を好み、他者を利用。向こうみずで反社会的)
演技性パーソナリティ障害 (外見へのこだわりが強く、注目を集める派手な服装や演技的行動)

C群は不安で内向的タイプのグループです。
依存性パーソナリティ障害 (自主性が乏しい。過度の他人への依存、孤独を恐れる)
強迫性パーソナリティ障害 (頑固で融通性なく、秩序に固執。他者を束縛。)
回避性パーソナリティ障害 (人間関係を避ける。自己への不安や緊張のため逃避)

ICD-10という分類法では、情緒不安定性パーソナリティ障害の
下位分類のひとつである情緒不安定性パーソナリティ障害境界型が、
境界性パーソナリティ障害に相当します。

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