パーソナリティ障害が増えている理由

日本でも人格障害(パーソナリティ障害)の人が増えている

パーソナリティ障害というのは、障害という名称から受ける印象が、
精神障害のように受け取られることも多いですが、人格の未成熟な状態であり、
人格の成熟により症状が緩和されていくという特徴があります。
統合失調症などの精神病とはまったく違うものです。
また、発達障害のような脳機能的な要素からくるなんらかの障害かと思われることもありますが、これも違います。

パーソナリティ障害の本質的な実態は、人格形成の未熟な状態です。
子どもの人格のまま大人になってしまったようなものです。

例えば、子どもは自分と他人の境界がはっきりしないので、
親に依存し、一人では自立して生きることができません。
また、さまざまに自己中心的な発想や行動をすることでトラブルを起こします。
この状態に近いのが境界性パーソナリティ障害をはじめとする人格障害なのです。

境界性パーソナリティ障害は情緒不安定性パーソナリティ障害とも呼ばれる

感情の不安定なところから情緒不安定性パーソナリティ障害とも呼ばれますが
その背景には自己価値の低さ、見捨てられることへの過度の恐れなどがあります。

依存性がさらに高く主体的な部分が未発達になるのが、依存性パーソナリティ障害です。
このような人格障害の改善のためには、未熟な人格をもう一度育てていくことが必要です。

発症のきっかけが、母親、父親からの幼児期の働きかけが適切でなく、
愛情の不足やコミュニケーションの歪みが原因になっているのです。
共感的で受容的な育てられ方をしなかったことがひとつの原因となっています。

非共感的な養育環境と呼ばれたりしますが、ネグレクト、放任、その逆に過剰な束縛、
暴力や暴言、このような接し方を親からされていることにより、
人格形成が未熟で歪んだものになったのがパーソナリティ障害であるといえるのです。

それゆえに、人格を育てる認知行動療法やカウンセリングなどの心理療法が
パーソナリティ障害を改善させる柱となるのです。

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