境界性パーソナリティ障害のもつ空虚感

境界性パーソナリティ障害の人の特徴として、心の中に、基本となる安心感が欠如していることがあげられます。つまり心の中には常に不安感が存在しています。これは心の中に自己肯定感がないということを意味します。自分の存在を認め、肯定する感覚がないために、基本的安心感がないのです。この感覚は、幼児期に抱く、世界を無条件に信じる初心(うぶごころ)が認められないと育ちません。無垢な赤子は、常に周囲を無条件に信じるピュアな心を持つものですが、その信頼を裏切るような行動を両親や保護者に与えられることで、基本的安心感が打ち壊され、不安感ばかりの心になっていきます。

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境界性パーソナリティ障害の予防法

不安定で不安が強い幼児期を送ったことで、生きることは、喜びであるという認識が育たず、むしろ生きることは苦痛であり虚しさに満ちたものであるという世界観が構築されてしまった結果、このような状態になります。そのため、境界性パーソナリティ障害の人は、世界を信じることができません。そして自分のことを信じることもできません。そのため、いつも、何のために生きるのか、自分はいったい何なのかといった疑問を抱いて、慢性的な空虚感を抱えて生きるようになります。これはアイデンティティが確立されていない状態です。この混乱したアイデンティティは、慢性的空虚感を増強して、生きづらさをいっそう感じさせてしまいます。生きるという当たり前のことに喜びや満足を感じることができない病的な心が、自分には生きる価値もないし、生きる意味もないといった観念を持たせることで、境界性パーソナリティ障害がどんどん進んでしまいます。

幼児期に0才児保育などといって早くから預けられたり、親が多忙でベビーシッターに面倒をみてもらったりすると、このような空虚感を強く抱くようになるのです。女性の社会進出を促進するといって、保育所を充実させることで、0才児保育が増えると、ますます境界性パーソナリティ障害の人も増加するのです。女性が母性を発揮し幼子と安心して共にに時を過ごせるような社会をつくることで境界性パーソナリティ障害は減らせるのです。

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