情緒不安定型パーソナリティ障害との接し方

情緒不安定型パーソナリティ障害とは、境界性パーソナリティ障害とほとんど同義の分類です。この種の患者との接し方の第一は、変わらないスタンスを維持することです。同じスタンスで向かい続けることを心がけることが大切です。これは相手に安心感を与えていることになり、相手にとっての心の安全基地としての役割を援助者が持つことに通じます。患者は、しばしば、相手を傷つける言葉や挑発のような言葉をぶつけてきます。その言葉は時として援助者の心を傷つけるような表現もあります。すると、こちらも人間ですから、つい不愉快になり、その不快な感情をストレートに患者に伝えてしまうというミスを犯します。このような行為をすると、心の安全基地としての真価が発揮できません。BPD(境界性パーソナリティ障害)の人が、相手を本当に信じていいのか不安になると、相手を困らせる言動をとるのだということを理解することが肝心です。 患者の挑発行動に乗らないことを心がけることです。挑発することで反応を確かめているのですから、ここでどのように応じるかで運命が分かれるともいえます。


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もし、このとき、表面的な同調をして、やり過ごそうとしたり、あるいは不快感を表明して感情的な反応をすれば、患者に、本当の味方ではないと判断されてしまいます。そうなれば、安定した信頼関係が維持できないのです。では、どうすればいいのか、それは相手の言動の背景を読み取ることです。表面に出ている言動そのものではなく、それが出ている背景にある患者の気持ちを理解するようにするのです。気持ちを汲んだ冷静な対応をすることで、患者は共感してもらえたと解釈します。すると次第に安定した関係に進展していくことができるのです。時にはがんばっている援助者に対してプライドを傷つけたり責め立てる他罰的言動をして、揺さぶりをかけてくるかもしれませんが、そんなときは、その攻撃の背後にある、患者の苦しさや寂しさ、つらさ、といった気持ちに話の焦点をむけるようにしましょう。すると、患者はコミュニケーションのパターンが次第に変化してきます。冷静さを保ち、感情的にこちらがならないことが第一です。悪い面を責めたりしてきた場合も、相手はそんなふうに感じていたのだということに共感する姿勢を示すようにすることで、態度が変化していきます。このような状況では、援助者の考えを押し付けることはよくありません。患者がどうしたいのかを傾聴して、共感していくことを主体にしながら、アドバイスを婉曲に伝える表現の工夫が患者の心の氷を溶かすことになります。

境界性パーソナリティ障害―患者・家族を支えた実例集

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